ハリル、バイエルンへ

グーテンターク。

 

ドイツサッカーは4部リーグ以降の試合再開が9月に決まり、バイエルン州では昨日からチームでの練習が許可されています。そんな中私たちTSV Schwabenの監督であるハリルの退団が決まりました。FCバイエルンのU18助監督を務めることになるそうですが、バイエルンからの引き抜きとあればSchwabenの選手たちも納得がいきます。いずれはブンデスリーガのチームを率いることを目標にしているハリルにとっては、予想よりも早いステップアップだったようで、ハリルは私たちのチームを離れることについて少し迷いがあったみたいです。とても温厚で知識も多く、選手たちからはとても尊敬されていました。私たち選手の視点で考えると、ハリルがビッククラブから引き抜かれることは時間の問題であることは分かっていましたが、この短い期間に少しでもハリルと関わることができ、トレーニングの中で色々な話を聞けたことは貴重な経験でした。

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選手たちは、いずれハリルがブンデスリーガや他の欧州5大リーグのどこかで監督として活躍してくれることをとても楽しみにしています。サッカーを通して様々な監督に出会いましたが、ハリルのようにサッカー脳だけでなく人間的にも卓越した人格者の下でサッカーができたことは大きな喜びでした。

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ハリルはいつも具体的な表現で選手たちに様々な指示をくれました。戦術練習でも多くの時間を割いて分かりやすく説明してくれました。各選手のポジション取りを修正するために、1時間ぐらいかけてフルコートでポジショニングの練習をしたこともありました(ボール無しで)が、そのような練習の時には必ず「退屈させて申し訳ないけど、」と付け加え、各練習の意味や重要性を説明してくれました。長年トップレベルでプレーしていたスターとは思えないほど低腰で、私たち選手に対して常に謙虚な姿勢で接してくれました。私は昔からサッカー知識が少なく、戦術にこだわりを持ったこともありませんでしたが、私にとってはこの先あまり長くはないサッカー人生の晩年にハリルと出会えたことは幸運でした。サッカーの指導者を目指さない私がハリルから学んだことは、人間性で人を引っ張ることの難しさです。ありがとう、ハリル。

Danke, Halil.

 

 

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