勤勉な日本とドイツ

 グーテンターク。


私がこの数年間で経験したドイツでの就労について(ちっぽけですが)、気付いたことがいくつかあります。多くの日本人は、「ドイツ人は残業しない」とか、 「働かないのに経済は好調」というような印象を持っています。私もドイツで暮らし始めるまでは、何となくそういうイメージでした。

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経験則から、ドイツ人は残業もするし、とてもまじめに働いています。あくまで私が今まで関わってきたドイツの人たちを、客観的に考察しているので、全てのドイツ人に当てはまるわけではもちろんありません(そもそも一概にその国の人々について表現することは難しいので)。

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学歴よりも実力と経験が重視されるので、結果を求める人は必死に働きます。残業が禁止されている企業も多いので、その日のうちに終わらない仕事はたいてい翌日に持ち越すことが 多いですが、中にはサービス残業をする人も結構います。ヨーロッパの労働者は日本人と比べて、一度の休暇で休む日数が多いため、バケーションばかりしているという印象はそのせいかもしれません。年間の有給休暇の日数は日本の企業と大差はありません。彼らが自分の休暇を決めるときは、ちゃんと同僚と話し合って決めています。多くの人は7、8月の短い夏に休暇を取りたいと思っていますが、そこも話し合って会社が空っぽにならないように相談して決めています。休暇に入る前に自分の仕事をしっかり終わらせようとしたり、周りの同僚に迷惑がかからないように配慮するところは、私たち日本人の感覚と似ています。

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ドイツ中のスーパーは日曜日が定休日なので、日本から観光でドイツに来る人たちが、買い物ができなくて困っている姿をよく見かけます。そういうところで無意識に「ドイツ人は働かない」という印象を持ってしまうのかもしれませんが、「不便でも休む」というのが欧州文化です。

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確かに日本での生活は便利で快適ですが、それを支えるために日本人はよく働きます。反対にドイツでは、ストレスフリーで働かなければ良い業績は出ないという考え方です。そのために休みが必要で、多少の不便は当たり前です。そもそも日曜にお店が閉まっていたり、電話がつながらなかったり、その程度のことなら彼らは不便とも思っていません。日本はコンビニやスーパーが24時間開いているのが普通ですが、ドイツで暮らしているとそんな日本の便利さが懐かしく思えます。

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良くも悪くも日本の便利さは世界的にも異常です。日本人の性格について特集していたドイツの報道番組では、「日本人の勤勉さが経済大国を支え、その精神は戦後の復興から受け継がれている」、と説明していました。

 

敗戦国のドイツもまた日本と同じように世界一の工業大国になり、その働く姿勢は日本人と似ています。唯一違うのは、ドイツ人は日本人よりも生活の利便性を求めていないという点だけです。

 

ドイツでの就労経験を通して、彼らの働く姿と生の声を聞き、これからも日本とドイツは技術分野で世界を引っ張っていくだろうと感じました。大げさですが。

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