日本人として感じること

グーテンターク。

 

3月のリーグ再開に向けて、チーム練習が始まりました。雪の中をただひたすら走ります。いまは首位と6ポイント差の5位で、みんなで昇格を目指して頑張っています。

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私がアウクスブルクに引っ越して2年半が経ち、この街の暮らしにも慣れ、サッカー以外にも大学や仕事に集中しやすい環境で生活できていると感じます。ですが、どんなに周囲に順応しても、多方面から生まれる不安やプレッシャーを感じない日はなく、無意識な危機感から気苦労が多いのも事実です。

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アウクスブルクのような綺麗な観光地でも、怪しい人は結構います。ヨーロッパの中では、ドイツの治安は良い方ですが、ここ数年は中東移民が事件を起こしています。もし日本から旅行でドイツに来るなら、そういう危険もあると考えておいた方が良いと思います。ガイドブックには、綺麗なお城や有名なレストランの情報しか載っておらず、スリや盗難などの予防だけしていれば良いという曖昧な表現が多いです。

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旅行中に危険を避けるために大事なことは、在独日本大使館ホームページが公開している情報を常に確認することです。例えば、自分が今日観光しようとしている街で、デモの予定がないか、政治的なイベントは行われていないかなど、とにかく面倒は避けたほうが得策です(デモや政治集会は事前通告されます)。

 

3日前に、同じバイエルン州ニュルンベルクという街で、イラク人の移民がナイフで人を刺して逮捕されました。彼のように、紛争地域からやむなくヨーロッパに逃れ、行く先々で移民申請を断られ、強制帰還が決まっている中東移民が増えています。そのフラストレーションの矛先が、ドイツ国民に向けられるという、何とも理不尽な時代です。

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 ↑3日前、ニュルンベルク

 

生まれた国の環境によって、その人の国民性が育ち、性格が決まり、宗教によって心に強い意思が根付きます。もし私が紛争真っ只中のシリアに生まれていたら、どういう性格に育っていたか考えることがあります。日本で生活しているうちは、日常の忙しさで忘れがちになりますが、平和がどれだけ幸せなことか、海外ではひしひしと感じます。

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ドイツ人に、あなたの宗教は何かと聞かれたときに、私は必ず「Ich bin eher Atheist.(私は無神教です)」と答えるようにしています。理由は、キリスト教徒やイスラム教徒のように、宗教によって自分の思想や人格を決めていないということと、自分が仏教についてどれだけ詳しく説明できるか分からないので、その時点で仏教徒ではなくむしろ無神教徒に近いと感じているからです。彼らのようなカトリックからすれば、無神教徒は強く信じるものが無い人と思われるそうですが、私は自身を持ってAtheistと答えます。f:id:hayato-abe-92:20190220193223j:plain

 

形のないものに囚われずに、豊かな国民性を持っている日本人は素晴らしいです。

 

すぐ風邪ひくドイツ人

グーテンターク。

 

気温マイナス2度のアウクスブルク

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歩道も凍ってツルツルなので、ジョギングもひと苦労でした。↓

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↓おとといの早朝、乗っていたバスが雪でスリップして危うく大事故でした。積もった雪が邪魔で再発車できずに、全員その場で降ろされました。

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インターン中の学生は、企業に提出する報告書の他に、大学にも別の報告書を提出しなければいけないのですが、これがかなり採点が厳しく、報告書として内容が十分でなければインターン自体も不合格になってしまいます。まさに”実践重視のドイツ”という感じです。。。「書類大国」のドイツの大学では、報告書や学術論文では文章のフォーマットや形式の他にも、略語やラテン文字などとにかく細かい決まりがたくさんあり、ドイツ語が母国語ではない私にとっては、かなりストレスの溜まる作業です。ですが、ドイツ語はヨーロッパの言語の中でも、学術表現に長けた言語です。例えばフランス語のように、詩や小説など感情的な表現が得意な言語とは反対に、学問についての記述がしやすいのがドイツ語です。なので、あまりドイツ語ばかり書いていると、何となく頭の固い人になってしまいそうな気がします。↓

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この時期はとにかく風邪で会社を休む人が多く、「病気だから、、」と言ってしまえば周りも「じゃ仕方ないか」という風潮です。風邪で病院に行けばすぐに医者から「Krankschreibung(病欠証明書)」がもらえます。そしてこれがあればたいていの企業では有給で会社を休めます(なので、軽い風邪ならひいた者勝ちです)。ドイツ人の頭の中は、休暇>風邪>>>仕事、という具合でしょうか。しかし、彼らの効率の良い働き方にはいつも感心します。これについていつか詳しく書きたいと思っていますが、つまり彼らは、なるべく働かなくてよい方法をいつも考えていて、言い方を変えれば、早く家に帰るために効率よく働こうとしています。この考えが根底にあるので、体調が悪ければ仕事にならないのですぐに休みます。

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ドイツの医者は風邪の場合すぐに薬を出したりせずに、必ず紅茶を勧めてきます。私がホームステイ中に風邪をひいた時も、大量のお茶のパックをもらいました。ドイツでは軽い風邪はお茶で治すのが普通です。↓

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スーパーにはたくさんの種類のティーパックも売られていて、せき止め用や喉用のティーパックなどがあります。日本では紅茶を飲むことがなかったので、種類については全く知りませんでしたが、ドイツで紅茶を選ぶときは、香りや味ではなく効能で選んだほうがいいと言われたことがあります。

 

寒いのでティータイムしてきます。

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黒いサンタクロースについて

グーテンターク。

 

11月は2連敗でリーグ5位で冬の中断期間に入りました。来年2月の練習再開まで室内トレーニングです。ドイツでは、雪の影響でスタジアムが使えずに試合が中止になる事が多く、冬の芝生の管理がドイツ中で大きな課題となっています。私たちのリーグのレベルでは雪による試合中止は日常茶飯事です。

(小学校の体育館↓)

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(↑街の掲示板)

 

11月中旬からクリスマスまでの期間、世界中でクリスマスマーケットが開催されていますが、ヨーロッパの中でもドイツは少し別格です。クリスマスマーケットはドイツ語で「Weihnachtsmarkt(ヴァイナハツマルクト)」もしくは「Christkindlesmarkt」(クリストキンデルスマルクト)といいます。
クリスマスマーケットの発祥でもあるドイツには、有名な3大マーケット(ニュルンベルクシュツットガルトドレスデン)の他に2500以上存在しており、アウクスブルクも人気のマルクトの一つです。↓

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FCアウクスブルクのCaiuby選手。練習に遅刻した罰として奉仕活動でGlühweinの売り子をやってます。

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ワインを香辛料と一緒に煮詰めた「Glühwein」(グリューワイン)は 1杯4ユーロ前後(約530円)と安くはありませんが、マルクトの雰囲気に乗せられてつい止まらなくなるくらいとても美味しいです(加熱するのでアルコールは7%程度に下がるそうです)。

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この時期は、社内会議でもGlühwein ↓

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日本では知らない人が多いかもしれませんが、ドイツでは子供たちにプレゼントが届くのは12月25日ではなく、12月6日です。しかも、プレゼントを持ってくるのはサンタクロースではなく、「Christkind(赤子キリスト)」という妖精です(北ドイツでは「Weihnachtsmann」(クリスマス男)といいます)。

 

サンタクロースの語源は「セント ニコラウス」という実在した司祭で、彼が12月6日に子供たちにプレゼントを渡して周っていましたが、ルターの宗教改革で追い出され、代わりに「Christkind」がシンボルとして創り出されました。

 

赤と白のサンタのイメージとは外観も異なり、悪い子供にはムチを打って牢屋に投げ込んだそうです(「ルプレヒト(黒いサンタ)」と呼ばれています↓)。

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バイエルン州にある「ドイツクリスマス博物館」の館長は、優しく明るい現代サンタを良く思っておらず、ドイツの伝統的なサンタを守るために、ユネスコ無形文化遺産の登録申請をしたそうです。この館長にだけは、渋谷で騒ぐサンタは見せたくないですね。

 

彼らにとってサンタクロースとはただ陽気で楽しいだけではなく、悪い子には罰を与え、世の中の厳しさを教える社会的な存在です。

 

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ぜひ、本場のヴァイナハツマルクトへ。

ドイツ人の上司と働く

グーテンターク。

 

先日の試合は、1-1の場面でロスタイムにゴールを決めましたが、何かしらのファールで取り消され勝ち点2を逃してしまいました。リーグ4位になりましたがまだまだリーグは続くので頑張ります。試合後は選手も監督も憤慨し相手選手と揉み合いになり、とても後味の悪い日曜でした。ゴールが遠い。。。

f:id:hayato-abe-92:20181115032720j:plain(↑FCアウクスブルクに所属していた細貝選手から頂いたスパイク。練習で使わせてもらってます)

 

 

 

企業でのインターンシップが始まって一か月が経ち仕事にも慣れ、近頃は専ら学びの多い日々を送っています。日本の企業インターンと大きく異なるのは、その期間と実務内容です。日本でのインターンシップといえば、研修期間は数日から二週間で、企業側が学生に対して会社の概要説明をして研修を行うという流れが多いですが、ドイツでは短くても半年間は会社の一員としてフルタイムで勤務し、給料を貰いながら様々な仕事を与えられます。

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高専4年の時に、東北の原子力発電所で一週間のインターンに参加しましたが、7日間のスケジュールで現場見学と発電所の概要説明に終始し、実務とは程遠い内容でした(良い経験にはなりました)。引率の発電所の社員の方が人事部の方だったので仕方ありませんが、技術的な質問には何一つ答えてくれませんでした(「私にはわかりません」とはっきり言われました)。

 

日本の大学のカリキュラムでは長期のインターンは取りづらいため、企業側は短期間のインターン内で会社のことを知ってもらうためのアピールの面が強くなってしまい、実務経験を積むという目的ではありません。そもそも私たち日本人が持つインターンシップという概念はこういうものなので、今私がドイツで経験していることは「職業訓練」に近いのかもしれません。

 

 

基本的にドイツの大学が学生たちに課しているのは、”卒業後に働きたい企業でのインターン”というのがセオリーであるため、学生にとってこの半年のインターン先は将来的にとても重要です。特に工学部の学生に人気のあるドイツの自動車企業は、実務経験を重要視しているため、学生はこぞってアウディBMW,メルセデスといったバイエルンの有名な企業でのインターンに応募します。私が今年の7月にインターンの面接を受けたときは、将来の展望や希望する部門などとても詳しく質問を受け、面接は一時間ぐらいかかりました。

(↓ミュンヘンにはBMWの本社があります)

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いまのところ私が生産の部門でやらせてもらっているのが、欠陥製品の選定や解析などの実験室での作業が主な仕事内容です(さすがに難解な仕事は与えられません)。例えば上司へ提出する報告書にも、誤字や文法誤りがないか常に確認して神経がすり減りますが、有意義な経験です。。。

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(↑許可をもらって載せています)

 

ドイツ人の従業員はとても気さくで優しく、いつも楽しんで仕事をしていますが、ちゃんと効率も考えています。私が外国人だからといって気を使ったり特別扱いすることはありません。もちろん一概には言えませんが、仕事に対するまじめな姿勢はおおよそ日本人と似ている気がします。

 

怒られないように頑張ります。。。

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ドイツの物価あれこれ

グーテンターク。

 

先日のアウェイでの試合も何とか1-0で勝つことができ、首位と2ポイント差の2位を守り、あっという間にリーグの半分を終えました。個人的には、もう少しゴール数を増やしたいところです。。。

 

↓今日のアウクスブルクは気温1度で、雪が積もりました。

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日本では、来年10月から消費税が10%に上がることが決まっていますが、今日はドイツの物価について少しだけまとめました。

 

ヨーロッパの中でも、平均賃金に対して比較的物価の安いドイツは、私たち外国人にとっても暮らしやすい国です。特に、旬に敏感なドイツでは、その季節によって旬の食材が安く買えます。↓

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世界的にもオーガニック思考の強いドイツでは、少し値段が高くても、無農薬のオーガニック食材を選ぶ人がとても多いです。日本の有機栽培の野菜の値段と比べるとかなり安いため、オーガニック商品しか扱わない専門店が人気です。ドイツでは、「Bio」と書かれたマークがついてる商品がオーガニックの証で、厳格な基準を満たしているという目印です。海外からの観光客にもわかりやすいように、シールが貼られています。↓

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ドイツの標準税率は19%で、生活必需品には軽減税率が適用されて7%になり、食料品、本、水道水、宿泊施設などは軽減税率に該当します。食料品の中でも、一部の紅茶やココアなどは標準税率となっており、なぜかキャビアなどの高級食材は軽減税率に該当します。国によって「ぜいたく品」に対する価値観は違うのでしょうか。。。

 

ドイツのール税は500mlで約4~5セント(約6円)と、日本と比べると破格の安さです(日本はドイツの約20倍)。ビールの麦汁の濃さに応じて税金も上がりますが、ビール本体の値段が安いため、ビール税も安く済むというわけです。オクトーバーフェストで飲むメルツェルビールが高いのは、こういう理由からです。

 

以前、EUによるビール税値上げの提案を、ドイツ政府は断固拒否しました。提案では、ビール一本あたりわずか1セント(約1.5円)の値上げでしたが、ビールへの思いと情熱が強いドイツ人は、少しの値上げも気に入らなかったようです。これほどビール愛の強いドイツ人なら、たぶんこの先もビール税が上がることはないでしょう。。

 

お店では、商品は全て内税で表示されているため、その商品の消費税が19%なのか7%なのかは、買った後にレシートを見ない限り分からないので注意が必要です(そもそも消費税を意識して買い物するドイツ人は少ないです)。↓

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ドイツには、「Kirchensteuer(教会税)」という独自の税金があります。その街にある教会の修復と維持に使われ、ここバイエルン州では毎月の所得の1%が教会税として天引きされます。ですが、もちろんキリスト教以外の人は支払う必要はありません。この教会税のおかげで、ドイツに数ある綺麗な教会を何百年も維持できているんですね。↓

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物を大切にするリユース嗜好の人や、倹約家の多いドイツでは、フリーマーケットもさかんです。ドイツ語では「Frohmarkt」といい、いろんな場所で定期的に開催されています。日本では手に入らなそうなアンティーク品も安く手に入るため、見ているだけでとても楽しいです。ドイツに来たらぜひfrohmarktへ。↓

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オーバーステイで11万円の罰金

グーテンターク。

 

先日の試合は、リーグ3位の相手に0-1で敗れ、リーグ4位となってしまいました。なんとか明日の試合は勝って上位に定着したいところです。新聞には「失望」の文字が。。。↓

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土曜日の今日、とても活気のあるアウクスブルクの市場↓

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いつも気前の良いおじさん、スーツが似合う↓

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海外で生活するうえで最も大切なビザの更新が近づいてきました。90日以内の観光や出張の場合は、ビザの申請は必要なく、信頼のある日本のパスポートなら入国は全く問題ありません。90日以上の滞在の場合、ドイツで取得できるビザは全部で5種類あります。

①学生ビザ

ドイツの大学への入学が決まった時点で、卒業までの期間の滞在が許可されます。私の住むバイエルン州は、毎年更新する必要がありますが、手続きは簡単で比較的すぐ済みます。労働も許可されており、収入の上限もありません。

(大学準備ビザ)

ドイツで大学受験を控えている人向けに、90日間だけ大学準備ビザが発行されます。受験の合否は問われませんが、人生で一度しか申請はできません。私も2年前、もし受験がうまくいかなかったときは、このビザを申請する予定でした。

②語学研修ビザ

ドイツの語学学校に通っている間は、期間の上限なく発行されます。語学学校の入学許可証を提示すれば、学校を辞めるまでの間は滞在が許可されますが、労働は禁止されています。

③就労・修行・研究滞在ビザ

ドイツの各州が定めた収入の基準を満たせば、就労ビザが発行されます。それと、学者(主に医者)の方がドイツで研究活動をする際にも、研究機関からの証明があれば滞在許可が下ります。ドイツで様々な職人の国家資格取得をめざす方は、修行先の証明書があれば、修行ビザを申請することができます。

④ワーキングホリデービザ

ドイツでの就労も許可されているワーキングホリデービザは、人生で一度だけ申請することができます。日独の文化交流を目的とされているため、申請は比較的簡単です。年齢が18~31歳までの方が対象です。私も一年目はこのビザを申請しました。ドイツへ入国する前に、日本のドイツ大使館か総領事館で申請する必要があり、あらかじめドイツでの住所や、ある程度の生活資金があることが条件です。

配偶者ビザ

ドイツの国籍を持っている人、またはドイツ滞在の人との結婚後に申請できるビザです。婚姻証明書のドイツ語訳と、一定以上のドイツ語能力の証明が必要です。私の知り合いにも、ドイツ人と結婚が決まっている方がいましたが、ドイツ語の試験をクリアするのに苦労していました。

 

 

4年前の2014年12月、ドイツから日本へ一時帰国しようとしていた時の話ですが、フランクフルト空港の出国検査で警察にとめられ、空港事務所に連れていかれました。当時私は語学研修ビザで滞在していました。その時住んでいたザールブリュッケンのビザ局で、私の滞在許可の書類で不手際があり、ビザが下りていない状態で約3か月ドイツに滞在していたことになっていました。その理由で、薄暗い空港事務所で1時間以上取り調べを受けました。全く訳の分からないままガタイの良い5人の警察官に囲まれ、いつのまにか何かしらの承諾書にサインをさせられました。最後に、「次回のドイツへの入国は3か月待て」と言われ、頭が真っ白のまま飛行機に乗せられました。

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ドイツでのオーバーステイ(不法滞在)は、1日で10ユーロの罰金と決められているので、私は88日をビザ無しで滞在したことになり、880ユーロ(約11万円)を請求されました。帰りの飛行機の中で、自暴自棄になりながらも茫然と請求書類を読んでいると、書類の端の方に、「情状酌量の余地あり」と書いてありました。不法滞在者に対して、空港警察にもある程度の裁量が与えられているのかもしれないと、僅かな希望を持って日本に帰りました。

 

私は警察に言われた通りにドイツへ戻る飛行機を3か月先に延ばし、その間は日本で罰金880ユーロを払うためにバイトをしながら、どういう場合が情状酌量にあたるのか調べて、必要な書類を準備しました。3か月後にドイツに戻り、ビザ局へ行って事情を説明し、結果的に(奇跡的に)880ユーロの罰金は取り消されました。ビザの申請に必要な書類はちゃんと提出していたことが認められ、私への罰則が取り消されたみたいです。当時まだ私は、全くもってビザのことをないがしろにしていたので、ビザ局側のミスとはいえ私もとても反省しました。

 

「ドイツで革命を起こすには、書類が足りない」

という格言があります。ドイツはとにかく保守的で堅い事務員が多いので、書類の不備や不正は許されないという意味です。ですが、交渉次第で罰金が減額(もしくは取り消し)されることもあるみたいです。先月、私の知り合いが、路面電車内で60ユーロ(約8000円)の違反切符を切られました。有効でない切符を使っていた、という理由だったそうです。ですが、その切符は3時間有効な回数券で、その内容は詳しく記載されておらず、なんとも納得のいかない罰金だったので、後日私が電話して説明を求めました。すると相手は、「確かにこの切符のルールは分かりにくい」と認め、30ユーロに減額してくれました。何でも交渉してみるものですね。

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 (↑その時の違反切符)

 

ドイツに限らず、海外で生活していく上で意思表示はとても大切です。当時の私にとって自分の意見を伝えることや、相手と交渉をすることは簡単ではありませんでしたが、それが自分にとって有益なものになると、オーバーステイの一件で学びました。ドイツ語の知識云々とは関係なく、必死に相手に何かを伝えるコミュニケーションの必要性を感じさせてくれた、苦くも良い経験でした。

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世界遺産の街「バンベルク」

グーテンターク。

 

先日の試合は、トルコ人セルビア人を中心とした外国人だらけのチームとの対戦でした。気性の激しい暴力的な相手との荒れ試合を、2-1でなんとか勝つことができました。大した怪我ではないですが、すねを蹴られ出血し、足首を捻挫しました。サッカー云々よりも、相手の挑発に乗らずに冷静にプレーできたことが、私たちの勝因かもしれません。さすがドイツ人、相手チームのフィジカル全面押しのサッカーや、彼らのような荒れた外国人の扱いに慣れています(差別的な意味ではなく、プレーとして)。なんとかリーグ2位を守りました。

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先月、旧市街が世界遺産に登録されているバンベルクという街に行ってきました。アウクスブルクから電車で2時間のバイエルン州フランケン地方に位置しています。第二次世界大戦で大きな被害を受けなかった旧市街は、中世の雰囲気をそのまま残したとても奇麗な街でした。私が一番見たかったのが、街のシンボルでもある旧市庁舎「Altes Rathaus」です。この旧市庁舎は、「中立の立場を守る」という意味で、川の真ん中に人工的に作られた中州に建てられています。その建築術にも興味がありましたが、壁に描かれたバロック様式フレスコ画も美しいです。 

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(↑旧市庁舎)

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(↑レグニッツ川)

 

もうひとつ楽しみにしていたのが、バンベルク名物のラオホビアー(Rauchbier)。ラオホ(Rauch)はドイツ語で「煙」という意味で、燻製した麦芽から造られたビールです。マイルドな味の下面発酵ビールで、スモークの香がたまらない、とにかく美味いビールでした。

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(↑ラオホビアー)

 

私が行ったお店は、「Schlenkerla, die historische Rauchbierbrauerei」

という歴史のあるお店で、そこで造られたラオホビアーが500mlの一杯3.5ユーロ(約450円)で飲めます。店内で注文した後、グラスを持って外で飲むという粋なスタイルが一般的です。

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(↑店の前の人だかり)

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(↑店の中で飲む人たち)

 

 

 とにかく中世の街並みが美しいバンベルク、ぜひおすすめです。

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 (↑奥に見えるのがバンベルク大聖堂)